2024/11/01MASTODON（マストドン）のギタリスト、Bill Kelliher「ビル・ケリハー」がライヴ会場でのＴシャツ高騰理由を語る
もう11月になり今年も後2ヶ月！
去年の今頃何をしていたかと振り返ってみると、
NEX_FEST 2023、MOTLEY CRUE & DEF LEPPARDがあり盛り上がっていましたが、
MOTLEY CRUE & DEF LEPPARDではＴシャツが高いと話題になっていました！
このライヴで発売された「DEF LEPPARD X MOTLEY CRUE EVENT T-SHIRTS」は、
6,500円と高額で物議を醸しましたが、
今年はIRON MAIDENのＴシャツが8,000円と、
去年を遙かに上回る値段となっていたため、
JOURNEYの6,000円も安く感じるほどでした。
（一部7,500円のもありましたが）
そんな中MASTODON（マストドン）のギタリスト、
Bill Kelliher「ビル・ケリハー」のインタビューが話題となっています。
ガソリン代の高騰で、
ヨーロッパツアーが困難と言うことや、
またアメリカでは巨大なステージセットを用意できても、
ヨーロッパでは輸送などの関係でその再現は難しいこと、
さらに「何でアメリカの様にやってくれないのか」と言われると嘆いています。
そして話題はライヴで販売するＴシャツに。
どうやってお金を稼ぐのか？
Ｔシャツを売って、サインをして、ステージでギターを弾いてお金を稼ぐのが今のミュージシャン。
しかし観客はそれをわかっておらず、
Ｔシャツがライヴ会場にて60ドル（日本円で約9,000円）で売られているのを見て激しく叱責されるといいます。
なぜこんなにも高額になってしまうのか？
ライヴ会場などでＴシャツなどマーチャンダイスを販売する場合、
20〜30%を会場側に持って行かれてしまいます。
（小さなハコならこれはなかったりしますが）
またSLAYER、METALLICA、IRON MAIDENなどビッグなバンドと一緒に出演する場合は、
それらのバンドとＴシャツの金額を合わせないといけない。
（2011年のGUNS N' ROSES来日公演で、
オープニングのLOUDNESSのＴシャツもガンズのＴシャツに合わせて値上がりしていたので
これを覚えている方も多いかと思います。）
一般の人に隠されていることはたくさんあると言います。
この状況は現在のバンドや業界のスタンダードであり、
ビル自身何年もこれに反抗してきたものの、
なかなか状況は改善しないようです。
そこまで金額がかかるのか？と考える方も多いかと思いますが、
移動が必要なのはバンド・メンバーだけではありません。
当然マネージャーなど裏で働く人達も当然必要ですし、
多くの国や都市を回るのであれば移動、宿泊、食事にかなりのコストがかかりますし、
さらにトラブルの発生に備えて、
弁護士とも契約しておく必要があります。
実際ツアーバスを1ヶ月借りたらいくらになるのか。
6年前のビルの発言によると1ヶ月で6万ドル、
日本円で900万円近くですが、
現在ではもっと上がって1,000万円を超えてしまうでしょう 。
ここ数年はエネルギー価格の高騰などで、
ANTHRAXレベルでもヨーロッパ・ツアーが中止になることがありました。
BIG 4（スラッシュ四天王）と呼ばれるほどのバンドが、
お金の面で中止になるとは驚きですが、
ツアーバスだけでこれだけのコストがかかるとなると納得してしまいます。
またビルは現在主流のストリーミングサービスでは、
中堅バンド程度ではほとんど収入にならず、
「この状況が続けばアーティストは消えていくだろう」とも話しています。
こういったお金の話は敬遠されがちですが、
ビルは何度もこういったバンドの裏側を話し、
状況を伝えてくれています。
現状はCDではなくストリーミングの時代で、
それだとバンドにほとんどお金が入ってこない。
となるとツアーでたくさんの場所を回らなければいけないが、
燃料費高騰で海外を長期間回るのは困難。
マーチャンダイスを販売して利益を出していかないといけないが、
様々な理由からＴシャツ1枚でもかなり高額になり、
事情を知らない観客から文句を言われてしまう･･･。
と、かなり悲劇的な状況となっています。
実際の所、現在はCDを買わずとも配信でしかも無料や格安で聴けてしまう時代で、
チケット代も上がり、Ｔシャツなども昔の倍程度となっています。
メタル・ファンの方はライヴに行って、
そしてCDやＴシャツを購入する方が多いとは思いますが、
それでも事情を知らない人からすると現状はやはり色々「高い！」と当然思われてしまいます。
現時点で高いのは色々と目に見えてこない理由があるからで、
そういった部分があることを考えてバンドを応援していくというのが、
ここ最近のスタンダードなのかもしれません。
そして出来れば応援しているバンドのアイテムは、
（うちのお店でなくとも）公式のアイテムを買って、
応援していってくれればと思います。
また国内のバンドですと最近ではチェキ
（インスタントカメラの写真）を販売しているバンドが男女問わず結構いるので、
こういった低コストでファンも買いやすく、
思い出になるようなものもチェックしていくといいかもしれません！
著・METAL IS FOREVER店長 本間
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