広瀬すず主演の映画「一度死んでみた」が3月公開で、
その中で勘違いしたデスメタルが使われていると言うことで、
賛否両論となっています。
(特にtwitterで多くの意見が出ています)
問題の動画がこちら
”デスメタル”といいながらも、
世の人たちに勘違いされているステレオタイプのデスメタルで、
デスヴォイスではない広瀬すずの歌声のため、
(リフはスラッシュぽい感じです)
「こんなのデスメタルじゃない!」
「むしろここからデスメタルを知ってもらうチャンス!」など
様々な意見が出ていますが、
そもそもデスメタルってなんなんでしょうか?
そんなわけで今回はデスメタルについてです!
デスメタルの始まりはスラッシュメタルから派生したものと言われています。
ベイエリア・スラッシュ」を代表するバンドの一つPossessed -ポゼスト-、
Celtic Frost -セルティック・フロスト、Master -マスター-が
このジャンルの原点とされ、
Possessedの1stアルバムSeven ChurchesにはDeath Metalという名の楽曲も。
そして1980年代後半、
フロリダ州のタンパを中心に、
DEATH -デス-、OBITUARY -オビチュアリー-、
MORBID ANGEL -モービッド・エンジェル-らが活動を開始。
ただこの頃はデスヴォイスを用いていること以外は、
源流とされるスラッシュメタルとの違いはほとんどありませんでした。
ただメロディではなく、
楽器の一部かのようなヴィーカル・スタイルは圧倒的な個性。
歌詞についても人の死にまつわるものや、
死体、地獄、社会批判、怪物など、
凄惨で残虐なものが用いられていきます。
1990年代の初めにはデスメタルはブームとなり、
デスメタルが盛んな地域ができていき、
フロリダ州タンパの「モリサウンド・スタジオ」、
スウェーデンの「サンライト・スタジオ」などがあった地域は、
シーンを牽引していくことになります。
DECIDEやCANNIBAL CORPSEは中でも大きな存在となり、
特にCANNIBAL CORPSEはデスメタルを体現した存在であり、
サウンドはもちろん、
ジャケットのアートワークもグロテスクで、
発売禁止になった国もあるほど。
その後デスメタルは細分化されていき、
残虐性をさらに強めたブルータルデスメタル、
複雑なリズム、リフ、曲の構成を突き詰めたテクニカルデスメタル、
源流であるスラッシュを重視したデスラッシュ、
デスメタルで重視されていなかったメロディを重視したメロディックデスメタルと、
デスメタルの中でも多くのジャンルが生まれていきました。
特にメロディックデスメタル、通称メロデスは、
AT THE GATES、CARCASSがその原型を作り上げ、
ARCH ENEMY、IN FLAMES、CHILDREN OF BODOM、DARK TRANQUILLITYは
世界各国で人気を博し、
今ではメタルの人気ジャンルとして定着しています。
ただメロデスだとデスボイスを使用していること以外は、
以外は正統派のヘヴィメタルと差が
あまりないケースも多いのですが・・・。
正直なところ間違ったデスメタルが広まっていくのは喜ばしいことではないですが、
この件がなければtwitter上で「デスメタル」の議論がなかったのも事実。
デスメタルについては世間的にはずっと勘違いされたままなので、
(これはデトロイト・メタル・シティがブームになる以前からのこと)
少なくとも「デスメタル」という単語が、
今の時代にtwitterにあふれかえった事実は嬉しいことと考えます!