ジェイソン・ベッカーのニュー・アルバムTriumphant Heartsが、
12月7日遂にリリースとなります！
古くからのメタルファンであればジェイソン・ベッカーの名前はほとんどの人が知っていると思いますが、
若いメタルファンの方はジェイソン・ベッカーの名前を聞いたことがあるのでしょうか？
そこで今回はジェイソン・ベッカーについて紹介してみたいと思います。
1969年カリフォルニア州 リッチモンドで生まれたジェイソン・ベッカーは、
クラシック・ギタリストの父やブルース・ギタリストの叔父から奏法を教わり、
イングヴェイ・マルムスティーン、トニー・マカパイン、
ヴィニー・ムーア、マーティ・フリードマンを発掘したことでも知られる、
1980年代に起きた速弾きブームの先駆的的存在、
シュラプネル・レコーズのマイク・ヴァーニーにデモテープを送ったことで目にとまり、
マーティ・フリードマンとツインギターをフィーチャーしたバンド、
CACOPHONY 「カコフォニー」を1987年に結成します。
正確でクラシカルなギターのジェイソン、
東洋風フレーズで人々の心をグッと掴むマーティ、
タイプの違う2人の超絶ギタリストによる高速のギタープレイに、
世のギターキッズは魅了され、
一気にあこがれのギタリストとなります。
（Voピーター・マリノの歌声がへぼかったことで、
ギターが余計によく聞こえる結果に）
1988年にはソロアルバムPERPETUAL BURNをリリース。
CACOPHONY以上にジェイソンの魅力が凝縮されたアルバムで、
中でもAIRは「対位法（＝複数のメロディを調和させて楽曲を構成する技術）」を持ちいた名曲で、
早弾きギタリスト戦国時代となっていた1980年代に光輝く存在となりました。
名曲AIRを生み出せたのも、
幼い頃に父や叔父からギターの手ほどきを受け、
ロック以外の引き出しがあったのも大きいのでしょう。
その後CACOPHONYは2ndアルバムをリリースし解散。
そのギター・テクニックが認められ、
元VAN HALENのデイヴィッド・リー・ロスのバンドに加入するも、
このこのから現在もジェイソン・ベッカーを苦しめている症状が出てきてしまいます。
その病は「筋萎縮性側索硬化症」。
通称ALSと呼ばれる病は手や足、喉、舌の筋肉が弱くなり、
身体の自由がきかなくなっていく難病です。
レコーディング中、左手足に症状が出始めたジェイソン。
アルバムは完成したものの、ライヴには参加できずバンドを去ってしまうことに。
1995年には2作目のソロアルバムPERSPECTIVEをリリースするも、
実際にギターを弾いたのは9曲中5曲のみ。
オープニング曲Primalが現時点では最後のジェイソンのギター演奏とされています。
現在も症状は進行し、会話も眼球の動きを持ちいたサインでしかできないのですが、
現在ジェイソンはこのサインを利用し、
家族や仲間に支えられ作曲を行っているのです！
クラウドファンディングによって
約1,300万円の資金を集めて作られたニュー・アルバム「Triumphant Hearts」は、
スティーヴ・ヴァイ、ポール・ギルバート、
ニール・ショーン、マーティ・フリードマン、
ジェフ・ルーミス、リッチー・コッツェン、
ガス・G.、ウリ・ジョン・ロート、ジョー・サトリアーニら、
そうそうたるギタリストが名を連ねています。
素晴らしいギタリスト達の手によって、
ジェイソンの音楽がどう再現されたのか、
とても楽しみです！
ジェイソンはALSについて前向きに捉えていますが、
もう一度ギターを弾く姿を見たいのも事実。
ALSの治療法は現在確立していませんが、
iPS細胞を持ちいての研究や、
遺伝子治療の治験も行われており、
いつの日か奇跡が起こる…。
そう願わずにはいられません。
NEVERMORE、ARCH ENEMYのジェフ・ルーミスが、
ジェイソンのソロ・アルバムPERPETUAL BURNをインストアルバムの最高傑作と評しています。
まだジェイソン・ベッカーに触れたことがないという方は、
この機会に聞いてみてはいかがでしょうか？
